大学で教えない歯科経営アカデミーNo8 新しい患者さんを取るための医療広告の難しさ

大学で教えない歯科経営アカデミーNo8
前回の宿題で、
「あなたにとって重要なのは、
新規の患者さんを集めるための施策を打つことか?
それとも、リピーターの患者さんを離脱させない。
来なくなるのを防ぐやりかたを見つけることか?
どちらが大事ですか」というお話をさせていただきました。
私はどちらかと言えばリピーターを大事にすることで、
ベースになる売り上げを確保し続けることが一番だと思っています。
ただ、新規が多い状態でなければ、
既存の来てらっしゃる患者さんから、
インプラントなどの高額治療はなかなか決まってきません。
そういった面で今日の中心の話題は新規の部分です。
つまり既存だけだと
高額治療への移行率が下がる
といったところが問題になると思います。
ただ、私はどちらかといえば、リピーター派です。
リピーターからファン患者を増やしていく。
(ちょっと実感にはないのですが)2割のファン患者さんが、
実は売り上げの8割程度を持っていると言われています。
(生涯を通じて長く、お金を出し続けてくれることを
考えるとそうだと思います)
圧倒的に多くの残り8割ぐらいの患者さんというのは
実は売り上げ的に言ったら2割ぐらいしかないんだそうです。
新規だけの患者さんだけを集めれば、
8割の層を増やしているだけ!
生涯を通じては売り上げの2割しか貢献しない
そうふうに思っていたほうがいいと思います。
(ただし歯科医院の場合は、多くの業種と違い、
もっとファン以外の
リピーターの率が高いかもしれませんけれども)
新規の患者さんの集客のところで、
あんまりお金を払うよりも、
どちらかといったら、
リピーターやファンを増やしていくという医院が、
私の周りの友達の歯科医院に多く見られます
その歯科医院の方々は、
必ず繁盛していますので、
私も新規よりはリピーターの施策重視をお勧めしています。
また、保険のメンテというのも
4月に改正があって、
保険の点数自体が上がってきましたので、
財政的にもリピーターの患者さんが
増えていくというのは
これからメリットのあることではないかと思います。
新規の顧客の施策はもちろん大事です。
歯科医師以外の実務経験がないコンサルというのは、
集患で困っている歯科医院に
他の業界で成功した新規患者さんの
集患の方法のみを教えていると思って下さい。
これは即効性があるかもしれませんが、
殆どの施策は所詮はレッドオーシャンです。
お金がかかります。
リピーターがいない状態で
新規施策を始めるので、
お金が尽きたら終わりです。
新規を1人取るのに、
いくらかかるのかというのは
考えなければいけない
大事なテーマであり、
必ず測定していくということが
必要です。
もちろん安ければいいですが、
ネットなどを中心に考えられている先生は
インプラントとかなら一人数万円を
払っても大丈夫という方もいらっしゃいます。
ただ、これも含めてなんですが、
自費治療を中心とした
新規患者さんをとるための
医療広告は難しい世界です。
薬事法あるいは医療法の制限があり、
出せるものがかなり少ない。
あまりお金をかけないならリアルな看板やチラシなどの
広告もあります。
ところがネット以外のリアルな広告を出す場合も、
インプラントなどの言葉を少しでも出すと
かなりの規制があり、
価格等も細かく出さなければいけない。
私はインプラント歯科医院という名称のものを作りましたが
その看板の下に価格を入れろと
言われたことがあります。
どんなことが許されるのかと
保健所などに相談しに行くと
細かいところまで
教えてくれます。
私、実際に持っていったことがあるんですけど、
「本当に来る先生はかなり珍しい」と言われながら、
相談に乗ってくれました。
電車の内部に斬新なホワイトニングの広告を
だそうと思いましたが、
(ホワイトプランとかWホワイトとか・・
面白そうだったのに!)
ほとんどが却下(当たりまえ?)
言われたとおりに作って、
終わってみるとつまらないものに
なっちゃいました。
見せなきゃっよかった?と公開してます(^_^;)
また外でチラシを配ると、まず保健所に
クレームが・・・(他の先生からでしょうが)
怒られます。
周年事業とか、
あるいは新規開業の場合とかっていうのは
大目に見てくれることもあるんですけど、
ほとんどの場合、外でチラシなどは配ることができません。
DMとしてチラシを配るのは、
グレーゾーンなんですが、
今のところ表現に気をつければ
大丈夫と言われています。
※余談ですがDM配りには
自分でも一度行ってみると良いと思います。
我々は地域医療を行っているのです。
自分の診療圏内の患者さんが
どんなところから来ているのかを
確認するのはとても役に立ちます。
たとえば患者さんがお屋敷の多いところから
来ていれば、自費診療をする
可能性が高いなどといったことを
認識しやすくなります。
まあDMは通常は業者あるいはスタッフが、
手配りで持っていくというようなことになりますので
そうなると
そういった確認作業はできませんから・・・
一度やってみて下さい。
自費診療に限った広告なら、
3つ折りなどで美容院とか、
郵便局とかに、
お願いして置きチラシとし置いてもらう
なんて方法もあったりします。
うちの街ではタクシーはだめですが、
東京ではおいてあったりしますよね
こういったリアル広告で
許されているものが数少なく、
今はほぼネットでの広告というのが
中心となってくるのが通常です。
PPCやアフリエイトなど
これがお金がかかるから・・・
医療には合わない気もしますが
そこに莫大な費用をかけて
生涯費用で回収していくというのが
ネットでの広告になります。
今回の宿題は
「厚生労働省が決めた医療広告ガイドライン」というのがあります。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/kokokukisei/dl/shishin.pdf
これを整理し、症例をよく読んでみてください。
特に、インプラントなどの
自費治療の広告に関しての部分の
記載を詳細に見るようにしてみてください。
本日は以上です。